トバッチリの神

■K子がプリプリ

彼女にはトバッチリの神が付いている。
今日もどこかでトバッチリを受けたのだろう。

と言っても、電車の中で乗ってきた初対面のリーマンにいきなりでかい舌打を受けたりだとか、自分が起こした失敗じゃ無いのにすんげー怒られたとか、そんな軽度な感じなのでいつも酒のネタに笑わせてもらっているんだけど。

＊

K子テクテク御堂筋。

背の高い少々イケてるツラした外国人にカタコトで「オチャデモノミマセンカ」と声をかけられる。

怪しい。怪しすぎる。で、「仕事中なので」と通り過ぎようとするがその外国人は食い下がる。

「ワタシイタリアカラキマシタ。ニポンノコト、マダヨクワカリマセン。ニポンゴモ、アマリワカリマセン。オシエテクダサイ。」

K子：「本当にごめんなさい無理です」　

外国人：「んだよっ。使えねー女だなーあ。てめえなんか誘わねーよブス」

その場に取り残されたK子。

＊

「ねえっ！！アンタに分かる？！この敗北感！！挑んでもいない戦いなのにいきなり背後からキック見舞って勝利宣言されたようなもんなのよ！！」

てゆうか、そいつは一体何人だったんだろうなー、あ、生ビールおかわり下さーい。