うるさいったらありゃしねえ(ワタシが)

思い出したように電話をかけてきやがる男がいる。
そんな野郎に限ってこっちの状況は掴めていない。そりゃそうだ。思いついた時にしかアポイントとってこねえんだから。
目つむってボール投げてこられるようなもんだ。
こっちこっちでは一生そいつを思いつく事は無いので、勝手に思いつかれるのも迷惑であり、オヒサシブリと懐かしむつもりもねえ。

着信拒否の登録の仕方がわかんねーから、ずっと無視してきたのに、番号変えてやがるもんで、ついうっかり出てしまったよ。畜生。

「何？」
「何って相変わらずだなあ。久し振り〜。元気かな〜と思って〜」

そっからヤツはあーだこーだと前回と同様ちっぽけな思い出話やどうでもいい人間の噂話や自分の恋愛話だの。

サイコロでも振ってんのか？

あー思い出すだけでも気分悪い。
とにかく、くっだらん話をだらだらとワタシに投げかけてくるのだった。こっちは構えてないっつーの。暴投すんじゃねーよ馬鹿。

しかも状況はおろかその場の空気さえも読めない馬鹿ときたもんだから話を終わらせることなどしてきやしねえ。

「まあとにかく何か機会がありましたらまたー（棒読みで）」と大人らしーく切り捨ての枕詞を数々の流れ弾を避けながらもやっとの思いで投げ返したところ、
「あーほらほらアノ子ってどうしてんのー？」とまたもや大暴投。

切らせろよ電話を。今すぐに。

しゃべりの男は嫌いじゃないが長電話の男は嫌いなんだよっ。あー女も。

目的はなんだ？…ってどうせ！

隙ありゃヤらせてもらおうとでも思ってるのか、お話し相手が欲しい寂しがり屋ってところなんだろ？どっちにしても気持ち悪い。
宗教の勧誘かネズミ講のお誘いの方がまだわかりやすくていいぞ。まあ似たようなもんだが。

中途半端なんだよお前。だからお前とは付き合わなかったんだよ。糸口探してんだろうが糸が無いんだ。口もあるはずが無い。
友達ぶってりゃこっちはキレル確率は低い。適度に適当なお相手になってもらえるからな。
気ィ小さ過ぎ。きっとちんこも小さいはずだ。見たくは無いが。

悪いがそんな暇はねえ。ワタシッテモテテル？なんて勘違いしてうっかり股広げるほど青くもねーし。

いつも心は1畳半一間だからな。てめえの座る場所はねーよ。
そんなくだらんくだらん電話をやっとこさ切ったらば、今度はマイスイートがふくれっ面。何なんだよまったく。

どいつもこいつも妄想ばっかりすんじゃねーよーーーとホコリだらけのマニュアルを熟読中。着拒ってどーすんだよっ。